切妻(きりづま)屋根とは、大棟(屋根の頂点)を中心に、左右に四角形の傾斜をつけた屋根形状を指します。本を開いて伏せたような形状とイメージすると分かりやすいです。
切妻屋根は「寄棟(よせむね)」「片流れ」などの屋根形状の中で、最もスタンダードな屋根形状です。
特に、総2階の切妻屋根は合理的な屋根形状と言われており、軒の出も出しやすく、長期住宅に適しています。
この記事では、切妻屋根のメリットとデメリットについて具体的に解説します。
目次
1.切妻屋根の特徴
切妻屋根はや大棟(屋根の頂点部)から2面に、屋根面が伸びて形状を構成します。
構造が単純なので比較的丈夫で雨漏りが少なくメンテナンスも安価です。しかし、定期的なメンテナンスは必要になります。
メンテナンスが必要な箇所は箇所は棟部・軒先・ケラバなどがあります。
2.切妻屋根のメリット
2-1.費用対効果が高い
切妻屋根は費用対効果が高いの特徴です。
シンプルな屋根形状であり、軒の出や雨樋の長さが短いため、材料費や人件費などの施工コストを抑えることができるからです。
また、雨漏りにも強い形状なので将来のランニングコストに関しても有利な屋根です。
このように切妻屋根は費用対効果が高いのがメリットです。
2-2.通気性に優れている
屋根が三角になることで、高さが出るので風通しの良い、換気性に優れています。
棟換気を利用して暖かい空気が上に上昇していく性質を利用した、重力換気を効果的に行うことができます。
2-3.ソーラーパネルを設置しやすい
切妻屋根はソーラーパネルを設置する際に、発電効率の良い設置ができるのが特徴です。
発電効率の最も高い、傾斜角度に合わせて、屋根勾配を調整できたり、寄棟屋根と比べて屋根面積が広いため、より大きな面にソーラーパネルを設置することができます。
2-4.豪雪地帯に適している
切妻屋根は豪雪地帯に適した屋根形状と言えます。
屋根の角度を急勾配にすることで、屋根に積もる雪の量を少なくすることができます。また、屋根面が2方向なので、雪の落下する位置を限定することができます。
落下する雪の位置が限定され、一部分に集中しますが、高床式にするなどの配慮を行うことで、雪対策が効率化します。
2-5.すべての屋根材を使用できる
シンプルな構造で、広く普及している屋根形状のため、すべての屋根材を使用できます。選択肢が豊富にあるため、好みの屋根材や仕様に制限されることが無いのが特徴です。
3.切妻屋根のデメリット
3-1.妻壁から雨漏りが発生しやすい
妻壁から雨漏りが発生しやすいのがデメリットです。
切妻屋根の形状からも分かる通り、妻壁は屋根に守られていないため、外壁が雨風にさらされる機会が増えます。
切妻屋根の雨漏りの原因もこの妻側の劣化が原因であることが多く、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
まとめ
切妻屋根は屋根形状の中で最もスタンダードな形状ですが、合理的な屋根形状で長期住宅に向いています。
切妻屋根は「建物を長持ちさせたい人」にオススメできる屋根形状と言えます。
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