「屋根瓦の修理はいくらかかるの?」「どんな業者に修理を依頼すれば良いの?」そう疑問に感じて屋根瓦の修理について調べていませんか?
屋根瓦は台風の強風や積雪の重さで、瓦がズレたり割れてしまう不具合が発生しやすいのが特徴です。
このような小規模な不具合の場合「瓦の部分交換」や「ズレの補修」など部分修理で対応できるため、数千円〜5万円くらいが修理費用の中心価格帯になります。
屋根瓦の修理は業者にとって小規模な内容であるため、営業に積極的な業者は瓦を全面張り替える「葺き替え工事」や「葺き直し工事」などの屋根リフォームを提案されることも少なくありません。
屋根瓦の修理を検討する際は、瓦の不具合や劣化症状に対して適切な修理方法を提案してくれる誠実な業者に修理を依頼することが重要です。
この記事では屋根瓦の修理で失敗しないために知っておくべき基礎知識について解説します。
屋根瓦の不具合・劣化症状別の修理方法や修理方法別の費用相場について具体的にまとめています。
適正価格による屋根瓦の修理を実現する適正業者の選び方について解説しているので、屋根瓦の修理をご検討中の方は是非、参考にして頂ければと思います。
目次
1.屋根瓦の不具合・劣化症状別の修理方法
まず始めに、屋根瓦の不具合や劣化症状別の修理方法について理解を深めましょう。
不具合や劣化症状に応じた屋根瓦の修理方法を事前に予測しておくことで、業者が提案する修理方法の妥当性を確認することができるからです。
「瓦のズレ」や「破損」であれば部分補修で修理ができます。
しかし、悪質リフォーム業者は「瓦が全体的にズレています」「雨漏りの危険があるので葺き替えが必要です」と高額な屋根工事を提案します。
特に、屋根瓦の不具合や劣化は屋根に上らなければならず、施主様自身では確認できないため、ボッタクリ被害が多いリフォームジャンルになります。
このような悪質リフォーム業者から身を守るために、屋根瓦の不具合や劣化症状に応じた修理方法に理解を深めることが重要です。
それでは、具体的に屋根瓦の不具合や劣化症状別の修理方法について見て行きましょう。
1-1.瓦の部分的なズレ
瓦のズレはズレた瓦を戻す補修で修理が完了します。10分ほどで修理が完了するため、現場までの出張費(5000円〜1万円程度)だけを請求する業者が多いです。
1-2.瓦の割れ・欠落
瓦が割れたり欠落している場合は、瓦の差し替え(交換)を行います。
粘土瓦の場合、材料費を含めて7,000円〜15000円ほどが相場価格です。
一方で、セメント瓦やモニエル瓦は生産が中止されているため、瓦を入手するのが困難な状況です。
セメント瓦やモニエル瓦は粘土瓦と比べて耐用年数が短いため、劣化状態によってはガルバリウム鋼板に葺き替え工事を検討しても良いでしょう。
1-3.棟瓦の崩れ・漆喰の崩れ
棟瓦や漆喰の崩れは、棟の積み替え工事で修理を行います。
棟の積み替え工事とは、既存の棟瓦を撤去して、再度積み直す工事ですが、棟瓦の歪みや漆喰の劣化を修理することができます。15万円〜25万円ほどの修理費用が発生します。
一方で、漆喰が一部剥がれているだけの場合は部分的に漆喰を補修する修理が行われます。施工面積にもよりますが、1万円〜5万円ほどで修理が完了します。
1-4.瓦の全体的なズレ・畝り
屋根瓦が全体的にズレている場合は、瓦の葺き直し工事による修理が一般的です。
葺き直し工事とは既存の瓦を撤去し、屋根の下地材を交換・補修し、再度瓦を積み直す修理方法です。
屋根の大きさによって費用が変動しますが、60万円〜80万円ほどが修理費用の相場です。
一方で、屋根が畝(うね)っている場合、躯体(骨組み)に不具合が生じている可能性があり、瓦だけではなく、屋根自体を修理する必要があります。
その際は、屋根の躯体工事が必要なため、100万円〜250万円ほどの高額な工事になるケースも少なくありません。
1-5.雨漏り
屋根瓦の雨漏り修理は屋根内部のルーフィング(防水シート)を交換する必要があるため、葺き直しによる修理が一般的です。20万円〜50万円が修理費用の相場です。
セメント瓦やモニエル瓦は粘土瓦と比べて耐用年数が短いため、既存の瓦を再利用する葺き直しでは費用対効果を発揮できない場合があります。
新しい屋根材に張り替える葺き替えも含めて、屋根材の耐用年数と修理費用のバランスを見ながら慎重に検討することが重要です。
1-6.屋根瓦の種類別のメンテナンス方法と特徴
瓦の種類 | 粘土瓦(日本瓦) | セメント瓦 | モニエル瓦 |
---|---|---|---|
画像 | |||
耐用年数 | 50年〜80年 | 30年〜40年 | 30年〜40年 |
材料 | 粘土 | セメント | コンクリート |
メンテナンス方法 | 葺き直し | 屋根塗装 | 屋根塗装 |
葺き替え時期 | 80年〜100年 | 30年〜40年 | 30年〜40年 |
屋根瓦は大きく分類して「粘土瓦」「セメント瓦」「モニエル瓦」の3つの種類があります
基材(本体)を構成する材料が異なるため、屋根材の耐用年数(耐久性)とメンテナンスの方法が異なります。
例えば、粘土瓦の耐用年数は50年〜80年と非常に長期的です。そのため、屋根の躯体(構造)や屋根材自体が劣化しない限り、屋根材を葺き替える(張り替える)必要はありません。
既存の粘土瓦を再利用する「葺き直し」と呼ばれる工法でメンテナンスを行います。
一方で、セメント瓦とモニエル瓦は屋根塗装によるメンテナンスが必要です。
屋根材の耐用年数も日本瓦と比べて短いため、30年〜40年を目安に新しく屋根を張り替える「葺き替え工事」が必要になります。
このように瓦の種類によって必要なメンテナンス方法や葺き替え工事のタイミングが異なるため、自宅の瓦の種類を理解した状態で現地調査に臨むとより不具合と修理方法に対する理解が深まります。
2.屋根瓦の修理費用の相場
修理内容 | 施工単価 | 単位 | 概算費用 | 対象劣化症状 |
---|---|---|---|---|
瓦のズレの補修 | ¥5,000〜¥10,000 | 式 | ¥5,000 | ・ズレ |
瓦の差し替え(交換) | ¥7,000〜¥15,000 | 式 | ¥7,000 | ・ひび割れ ・破損 ・欠落 |
棟の漆喰補修 | ¥8,000〜¥10,000 | m | ¥120,000 | ・漆喰の劣化 ・漆喰の剥がれ |
棟瓦の積み替え | ¥14,000〜¥16,000 | m | ¥210,000 | ・漆喰の崩れ ・棟の崩れ ・棟の歪み |
葺き直し | ¥8,000〜¥10,000 | ㎡ | ¥480,000 | ・雨漏り修理 ・屋根の歪み |
葺き替え | ¥16,000〜¥18,000 | ㎡ | ¥960,000 | ・雨漏り修理 ・屋根の畝り ・屋根リフォーム |
※屋根面積60㎡の切妻屋根の総二階の住宅を基準に概算費用を算出 ※棟の長さは15mを基準に算出 ※屋根の葺き替えは屋根材によって費用が変動します。 |
屋根瓦の修理費用は屋根の不具合の状況によって変動します。瓦のズレの補修や差し替え(交換)などの部分補修の場合は、¥5,000〜¥10,000ほどが中心価格帯です。
一方で、屋根の棟が崩れてしまったり、屋根全体に不具合が発生している場合は「棟の積み替え工事」や「瓦の葺き直し工事」といった屋根工事が必要になるので修理費用が高額になります。
屋根瓦の修理は修理箇所や不具合の状況によって修理方法が異なり修理費用も違ってきます。
現地調査を依頼する前に瓦の不具合の状況と対応する修理方法の費用相場を確認しておくことが重要です。
3.屋根瓦修理の適正業者の選び方
屋根瓦修理はズレの補修や瓦の交換など小規模な修理であれば簡単な部分補修で修理を行うことができます。
瓦の修理を依頼する業者によっては簡単な部分補修で修理ができる内容であっても葺き替えなどの高額な工事を提案する悪質業者も存在するので注意が必要です。
ここから屋根瓦で修理で失敗しないために屋根瓦の修理業者の選び方について理解を深めましょう。
3-1.屋根修理の専門業者に依頼する
屋根瓦の修理は自社で直接施工ができる瓦修理の専門業者に依頼することで、適正価格で修理ができる可能性が高いです。
下請けに工事を委託する際に発生する中間マージンが発生しないからです。
ハウスメーカーや大手リフォーム会社は修理費用が高額なことで有名ですが、これは実際の工事を下請けに委託するため、下請けの会社の利益などの間接費用が修理費用に上乗せされるからです。
また、このような下請け業者に工事を委託するリフォーム会社は営業に特化している業者も多く、部分補修で修理ができる内容であっても高額な工事を提案することもあるので注意が必要です。
このように屋根瓦の修理は自社で直接施工ができる瓦修理の専門業者に依頼することで、適正価格で確実な修理を実現できるのでオススメです。
3-2.地域密着の業者に依頼する
地域に根ざして長年営業を続けているリフォーム会社は優良業者の可能性が高いです。
悪質なリフォーム会社は悪評が広がる前に、会社名を変更したり、営業する地域を変えるなどコロコロと会社名や営業エリアを変更するのが特徴です。
地域密着で20年以上営業を続けている業者は既存客からの信頼も厚くリピーターも多いため優良業者である可能性が高いです。
屋根瓦の修理業者を選ぶ際は、業者の専門性を確認すると同時に、地域密着の業者に依頼すると施主様の予算に合わせた適切な工事を提案してくれる可能性が高いです。
3-3.ホームページの企業情報を確認する
屋根瓦の修理業者を探す際はインターネットで探すのが現在の主流ですが、屋根瓦の修理業者を探す際は必ず企業情報を確認することが重要です。
お客様からリフォーム工事を請け負うにあたって「電話番号」や「住所」「代表者の氏名」など企業情報を公開するのは常識ですが、悪質業者は素性が公になることに抵抗があり、企業情報を公開しない傾向があります。
そのため、屋根瓦の修理業者のホームページを確認する際は、必ず「住所」「電話番号」「代表者の氏名」など一般的な企業情報がしっかりと記載されていることを確認しましょう。
3-4.業者の保有資格を確認する
屋根瓦の修理業者を選ぶ基準として、「かわらぶき技能士」や「瓦屋根工事技士」などの屋根修理に関する国家資格を保有している業者は優良業者である可能性が高いです。
一定の実務経験が無ければ受験することができないため、「かわらぶき技能士」や「瓦屋根工事技士」などの屋根に関する国家資格を保有している業者は屋根修理のスペシャリストであり優良業者の可能性が高いです。
4.屋根瓦修理の注意点
屋根瓦の修理で失敗する原因は業者選びによるものが圧倒的に多いです。
ここからは屋根瓦の修理で失敗しないために屋根瓦修理の注意点について具体的に解説します。
4-1.DIYで修理・応急処置をしない
屋根瓦の修理をDIYで行う方も多いですが、DIYでの種類は絶対にやめておきましょう。
さらに劣化や不具合の状況が悪化してしまう可能性があるだけではなく、屋根から転落して大怪我をしてしまう危険があるからです。
このようにDIYによる瓦の修理は安上がりではありますが、状況が悪くなってしまう可能性があるだけではなく、大怪我をしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
4-2.訪問販売業者の指摘は鵜呑みにしない
屋根瓦の修理を訪問販売業者に指摘されて検討する方も多いですが鵜呑みにしないようにしましょう。
簡単な部分補修で修理ができるような内容であっても葺き替え工事などの高額な工事を提案されるのが常套句だからです。
「屋根の瓦が劣化していますよ」「無料で点検しましょうか?」と屋根の劣化を指摘して点検を促すのが一般的な流れです。点検の結果、「雨漏りがしますよ」「屋根の葺き替えが必要です」と高額な屋根工事を提案されます。
さらに悪質な業者の場合、点検の際に屋根を壊してしまうことがあるので屋根に上らせないようにしましょう。
このように屋根瓦の修理を訪問販売業者に指摘されて検討する方も、多いですが絶対に鵜呑みにしないようにしましょう。
4-3.大幅な値引きや即決を促す提案を鵜呑みにしない
「今日、ご契約して頂ければ〇〇万円値引きします」「雨漏りがするので早急な修理が必要です」など大幅な値引きや即決を促されても鵜呑みにしないことが重要です。
修理費用が相場よりも高額なケースが多いからです。
これは訪問販売業者や営業系のリフォーム会社に多い契約を結ぶための営業トークなので、「大幅な値引き」や「契約の即決」を促された場合は、絶対に鵜呑みにせずに再度、別の専門業者に点検を依頼した方が安全です。
まとめ
いかがでしたか?屋根瓦の修理の基礎知識についてご理解いただけたかと思います。
屋根瓦の修理でもっとも重要なことは、業者選びです。悪質業者を掴まないために、屋根の不具合や修理方法と修理費用の相場を理解しておくことが重要です。
また、屋根瓦の修理業者を選ぶ際は、訪問販売や大手リフォーム会社のなどの営業を主体とする業者は避けて、相場価格で適切な修理を実現できる地元の屋根業者に依頼するようにしましょう。
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