ラバーロック工法とは日本瓦をコーキングで固定する瓦の補修方法です。
瓦屋根は釘で固定されておらず、屋根に乗っているだけの状態です。そのため、地震や台風で屋根材がズレてしまったり、棟が倒壊する危険があります。
ラバーロック工法を行い瓦同士をコーキングで固定することで、屋根材の結束力が高まり、瓦のズレや倒壊の危険性を回避する効果が期待できます。
しかし、ラバーロック工法は「瓦をコーキングで固定する」という単純な工法のため、訪問販売業者や悪徳リフォーム会社が積極的に販売しているリフォーム商材になります。
また、ラバーロック工法は間違った工法で施工をすると雨漏りの原因になったり、屋根材がごっそりと抜け落ちるなどの危険性があります。
そのため、「瓦が浮いているのを見かけた」と、突然リフォーム会社が訪問してきて、ラバーロック工法を提案してきた際は注意が必要です。
そこで、この記事ではラバーロック工法による屋根の補修工事を検討中の方に、ラバーロック方法の基礎知識について具体的に解説します。
この読むだけで、ラバーロック工法の危険を回避することができるため、ぜひこの記事を参考にして頂ければと思います。
目次
1.ラバーロック工法とは
ラバーロック工法とは日本瓦をコーキングで固定する屋根の補修方法です。ラバーロック工法は単体で施工されるケースは少なく屋根の葺き直し工事の際にセットで施工されるのが一般的です。
屋根の葺き直しとは、日本瓦を再利用す瓦屋根のリフォーム工法ですが、屋根の二次防水のルーフィングシートを交換し、屋根材を葺いた後にラバーロック工法で瓦を固定するのが一般的です。
ラバーロック工法で瓦を固定することで、瓦の歪みや隙間を埋めて、瓦のズレや倒壊の危険を防止することができます。
ラバーロック工法で得られる効果について見て行きましょう。
1-1.瓦のズレや歪みを補修する
ラバーロック工法は経年劣化で生じた屋根の隙間を埋める効果があります。
日本瓦は屋根に固定されておらず、瓦同士をはめあわあせて結束されています。経年劣化で少しずつズレが生じて、屋根材と屋根材の間に隙間が生じるようになります。
この隙間から雨水が侵入するとルーフィングの劣化症状によっては雨漏りの原因になります。
ラバーロック工法で屋根材と屋根材の隙間を埋めることで屋根材のからの雨水の侵入を防止して雨漏りが発生する危険を未然に防止する効果があります。
1-2.瓦のズレや歪みを防止する
ラバーロック工法は瓦のズレや歪みを防止する役割があります。
日本瓦は台風の強風や地震の際にズレや歪みが生じやすいのが特徴です。建築基準法が改正させれる前に建てられた、築年数30年以上の住宅では葺き土と呼ばれる粘土の上に瓦を押し付けて固定されているため、非常にズレや歪みが生じやすいのが特徴です。
本来であれば屋根の葺き替え工事が必要ですが、ラバーロック工法で瓦を固定することで、地震や台風の際でも屋根の瓦が飛散するリスクを低減することができます。
2.ラバーロック工法が必要になるケース
ラバーロック工法は雨漏りの原因となる屋根材の隙間を補修して、台風や地震などで瓦がズレるのを防止する効果があります。
しかし、リフォーム工事においては最適な工法と言えないケースもあり、適切に判断することが重要です。
ここからは具体的にラバーロック工法が必要になるケースについて具体的に見て行きましょう。
2-1.台風が多い地域の住宅
台風が多い地域の場合、ラバーロック工法は非常に効果的です。さらに効果的な方法として、防災瓦やガルバリウム鋼板などに葺き替えがありますが、ラバーロック工法は葺き替えよりも大幅に安く、屋根の結束力を高めることができます。
2-2.瓦の破損・欠落に対する予防
ラバーロック工法は瓦の破損、欠落、倒壊に対する予防になります。熊本地震や東日本大震災では、破損した屋根の多くが瓦屋根でした。
日本瓦に代表される瓦屋根は非常に重く耐震性能が低いのが特徴です。従来であれば、軽い屋根材のガルバリウム鋼板に葺き替えるのが最も効果的ですが、費用が200万円ほどかかります。
一方で、ラバーロック工法は葺き替えよりも大幅に安く、地震に対する予防を行うことができます。
安く屋根の耐震性能を高めたいという方にとってラバーロック工法は効果的な工法と言えます。
3.ラバーロック工法の注意点
ラバーロック工法は正しく施工をすれば、屋根が倒壊する危険を回避できる非常に有効な工法ですが、訪問販売業者や悪徳業者も積極的に販売してろおり、適切な施工がされないケースもあります。
そのため、ラバーロック工法の注意点を理解して施工不良の危険を適切に対処することが重要です。
そのため、ラバーロックの注意点について見て行きましょう。
3-1.湿気の逃げ場がなくなり野地板腐食させる
ラバーロック工法はコーキングで瓦を固定する工法ですが、すべての箇所をコーキングで固定していまうと、屋根の内部に侵入した水が放出されずに屋根の内部に留まってしまいます。
そうすると、屋根内部のルーフィング(防水シート)の劣化を早めてしまい、屋根内部の野地板を腐食させる原因になります。
野地板の腐食が進行すると、屋根を葺き替えるしか修理方法がなくなってしまい、高額な修理が必要になるため、注意が必要です。
3-2.将来的に外観が悪くなる
ラバーロックで使用されるコーキングは透明な素材ですが、時間の経過とともに、ホコリや砂が付着して黒ずむようになります。そうすると、屋根の美観が著しく悪くなるので注意が必要です。
4ラバーロック工法の施工方法
ラバーロック工法は適切な工法で施工をしないと、雨漏りの原因になった、建物の美観を著しく悪くしてしまいます。そのため、ラバーロック工法を適切に施工できる業者を見極めるために、ラバーロック工法の施工方法について理解を深めましょう。
4-1. 平瓦部分
雨水が流れない瓦の山の左側と山の下部分だけをL字型にコーキングするのが正しいラバーロックの施工方法です。
L字型にすることで、瓦を固定しながら、瓦下の換気が確保でき、かつ最小限のコーキングで外観も損ないません。
さらに、雨水の流れる部分にはコーキングをしていないので、雨漏りの原因になることもありません。
4-2. 棟瓦部分
棟瓦は、屋根の中でも出っ張っている部分ですので、突風や強風の影響を受けやすい箇所です。
瓦のズレ防止には、ラバーロックは大変有効です。写真のようにのし瓦が交互に積んであるT字部分のみコーキングするのが正しいラバーロックの施工箇所です。
この箇所だと、最低限のコーキングで最も多くの棟瓦を連結、固定することができます。
5.ラバーロックの費用相場
ラバーロック工法の費用相場は20万円〜30万円ほどが相場です。屋根の葺き直しとセットで施工されることが多く、葺き直し工事の内訳として記載されていることが多いです。
訪問販売業者や悪徳リフォーム会社の場合、ラバーロックだけでも80万円することもあるため、しっかりと適正価格を理解して臨むことが重要です。
まとめ
いかがでしたか?ラバーロック工法についてご理解いただけたでしょうか?
ラバーロック工法は適切に施工すれば効果的な屋根のメンテナンス方法ですが、単純な施工方法のため、いい加減な工事も横行しています。
そのため、ラバーロック工法を適切に施工ができる屋根修理の専門業者に修理を依頼することが重要です。
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