「屋根瓦の葺き替え工事の相場が分からない」「リフォーム会社から見積もりをもらったけど、思ったよりも高額で、このまま契約して良いのか迷っている」そう不安に感じて屋根瓦の葺き替え工事の費用について調べていませんか?
屋根瓦の葺き替え工事の費用相場は平均的な30坪の住宅の場合、80万円〜140万円が中心価格帯ですが、ハウスメーカーや大手リフォーム会社などの営業会社は相場価格よりも30%〜50%ほど高額になるのが一般的です。
これは営業の人件費や宣伝広告費用などの工事とは関係の無い間接費用が見積もり価格に上乗せされるためですが、同じ葺き替え工事であっても工事を依頼する業者によって費用が大幅に異なるのが屋根の葺き替え工事の難しいところです。
そこで、この記事では屋根瓦の葺き替え工事を検討されている方を対象にリフォームアドバイザーの有資格者が屋根瓦の葺き替え工事で押さえておくべき基礎知識について解説します。
屋根瓦の葺き替え工事の建坪別の費用相場や適正価格を実現す優良業者の選び方を具体的に解説します。
この記事を読むだけで、屋根瓦の葺き替え工事で不利益になるような危険を未然に回避して、適正価格で高品質な屋根リフォームを実現できるようになるので是非、参考にして頂ければと思います。
目次
1.屋根瓦の葺き替え工事の費用相場
屋根瓦の葺き替え工事の費用相場 | |||
---|---|---|---|
葺き替え工事の種類 | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
日本瓦(セメント瓦)→日本瓦 | 100万円~180万円 | 130万円~230万円 | 160万円~290万円 |
日本瓦(セメント瓦)→スレート瓦 | 100万円~160万円 | 130万円~210万円 | 160万円~260万円 |
日本瓦(セメンと瓦)→ガルバリウム鋼板 | 80万円~140万円 | 100万円~180万円 | 130万円~230万円 |
※切妻屋根の総二階の住宅を基準に算出しています。 ※形状や劣化症状によって相場価格は変動します。 |
屋根瓦の葺き直し工事の費用相場 | |||
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葺き直し工事の種類 | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
日本瓦→日本瓦 | 60万円~100万円 | 80万円~120万円 | 100万円~140万円 |
※切妻屋根の総二階の住宅を基準に算出しています。 ※形状や劣化症状によって相場価格は変動します。 |
屋根瓦の葺き替え工事は「瓦→瓦」「瓦→スレート」「瓦→ガルバリウム鋼板」の3つの種類がありますが、屋根材の耐用年数(寿命)とメンテナンス性を考慮して、金属製のガルバリウム鋼板に葺き替えるのが現在の主流です。
ガルバリウム鋼板を使用した屋根の瓦の葺き替え工事の中心価格帯は、平均的な建坪が30坪前後の住宅で80万円〜140万円が相場価格になります。
一方で、和風住宅は瓦屋根を前提に設計されているために美観性を考慮して、既存の瓦と同じ瓦を使用するケースも多いです。日本瓦は他の屋根材と比べて材料費が高額なため、中心価格帯が100万円〜180万円とガルバリウム鋼板と比べて20%ほど高額になります。
ただし、日本瓦は耐用年数が80年〜100年と非常に長期的なため、雨漏り修理などの不具合箇所を直すだけの場合は、既存の日本瓦を再利用する「葺き直し」による修理が行われることを理解しておきましょう。(※葺き直しについては「2.屋根瓦の葺き替えの2つの工法」詳しくお伝えいします)
新築住宅で広く普及しているスレート瓦は他の屋根材と比べて耐用年数が短く、屋根塗装などのメンテナンス費用も発生するため現在の屋根リフォームではほとんど使用されなくなりました。
このように屋根瓦の葺き替え工事は使用する屋根材によって費用相場が異なるので、葺き替え費用や将来のメンテナンス費用などの費用対効果や建物の美観性を含めて慎重に検討することが重要です。
2.屋根瓦の葺き替えの2つの工法
屋根瓦の葺き替え工事は金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替えるのが一般的ですが、耐用年数が80年〜100年と長期的な日本瓦の場合は、既存の日本瓦を再利用する「葺き直し工法」による葺き替え工事を行うことができます。
ここからは目的別に費用対効果の高い適切な工法で屋根を葺き替えるために、従来の「葺き替え工法」と「葺き直し工法」の特徴と違いについて解説します。
2-1.葺き替え工法
葺き替え工法とは屋根材を新しく葺き替える工法です。
屋根材を変更することで、建物の機能性の向上や、現状回復を目的とする場合に最適な工法です。
例えば、ガルバリウム鋼板に葺き替えて屋根の軽量化を図り、建物の耐震性が向上します。
また、セメント瓦(モニエル瓦)の耐用年数は30年〜35年で、屋根塗装によるメンテナスができなくなり、雨漏りが発生する危険が高まります。
屋根を新しく葺き替えることで、現状回復を行い雨漏りなどのリスクを低減することができます。
このように屋根の葺き替え工事は、屋根材を新しく葺き替える工法で、建物の機能性の向上や耐用年数が経過した屋根材の現状回復を目的とする場合は有効です。
2-2.屋根の瓦の葺き直し
葺き直し工法とは既存の屋根材を廃棄せずに、再利用する日本瓦の葺き替え工法です。既存の日本瓦を再利用するため、廃棄費用と新規屋根材の材料費が発生しないために、葺き替え工法よりも20%〜30%ほど安く屋根のメンテナンスを行うことができます。
日本瓦は耐用年数が80年〜100年と非常に長期的でありながら、屋根塗装のなどのメンテナンスが不要なメンテナンスフリーの屋根材です。
ただし、屋根内部のルーフィング(防水シート)や棟(屋根のてっぺん)の漆喰は30年前後を目安に劣化し、メンテナンスが必要です。
一般的に日本瓦以外の屋根材は、屋根内部のルーフィングが劣化する30年〜40年を目安に新しいに屋根材に葺き替えます。
しかし、日本瓦の場合は屋根材としての寿命が長いためにルーフィングの交換や屋根の漆喰補修などの屋根のメンテナンスを目的とする場合は、日本瓦を新しく葺き替える必要はありません。
このように日本瓦の屋根は長期的な耐用年数を最大限利用するために、葺き直しという選択肢もあることを理解しておきましょう。
3.屋根瓦の葺き替え工事の業者の選び方
屋根の葺き替え工事を適正価格で行うために重要なポイントは業者選びです。
同じ内容の葺き替え工事であっても工事を依頼する業者の施工形態や営業形態によって大幅に費用が異なるからです。
例えば、ハウスメーカーや大手リフォーム会社の葺き替え工事は200万円〜300万円と相場価格の倍以上の見積もり金額になることがありますが、これは下請けに工事を依頼する際に発生する中間マージンやチラシや営業マンの歩合などの経費が見積もり価格に上乗せされているからです。
一方で、自社の職人が屋根に上り、直接施工ができる業者は下請け業者に工事を委託しないことからハウスメーカーや大手リフォーム会社と比べて見積もり価格が安くなります。
このように屋根の葺き替え工事は同じ工事内容であっても業者の種類によって費用が大幅に異なることを基礎知識として覚えておきましょう。
特に、屋根瓦の葺き替え工事はリフォーム工事の中でも、高額なリフォームとなるため業者選びを間違えると数十万円もの差が生じるので注意が必要です。
それでは、具体的に屋根瓦の葺き替え工事の業者の選び方について見て行きましょう。
3-1.自社直接施工の業者に依頼する
屋根瓦の葺き替え工事は自社直接施工の屋根業者に依頼すると適正価格で葺き替え工事を実現できる可能性が高いです。
下請けに工事を委託する際の中間マージンが発生しないからです。
ハウスメーカーや大手リフォーム会社はお客様の窓口として、ヒアリングやリフォーム工法の提案などを行いますが、実際の工事は下請けの屋根業者に委託します。地域によっては「ハウスメーカー→工務店→屋根業者」と複数の中間業者が間に入るので費用が高額になります。
特に、販売に特化したリフォーム会社は広告宣伝費用や営業マンの歩合や人件費などの営業費用を回収しなければならないためにどうしても施工単価が高騰します。
一方で、自社直接施工の業者は中間業者の末端であり、実際にお客様の自宅で工事を行う業者になり、中間マージンが発生しません。
このように屋根瓦の葺き替え工事は自社直接施工で工事ができる屋根業者に依頼することで適正価格で工事を行える可能性が高いです。
3-2.雨漏りや外装リフォームの場合は工務店に依頼する
雨漏り修理で現地調査の段階では施工箇所が特定できない場合や、外壁塗装とセットで葺き替え工事を行う場合は、工務店や建築士事務所に依頼するのが最適です。
リフォーム工事は施工箇所によって専門業者が異なり、優秀な専門業者を下請けに抱えている工務店や建築士事務所の方が、費用と品質のバランスが良いからです。
特に、雨漏りは原因や不具合の状況に応じて、屋根の葺き替えや外壁の張り替え、ベランダの防水工事など施工箇所が複合するケースがあります。
このように屋根瓦の葺き替え工事の他に、外壁塗装やベランダ防水工事など施工箇所が複合する場合は、工務店や建築士事務所の方が、柔軟に対応することができます。
3-3.訪問販売業者には工事を依頼しない
瓦屋根は「瓦ズレてますよ」と訪問販売業者の指摘を受けやすく「葺き替え」や「葺直し」を提案されることが少なくありませんが、訪問販売業者には工事を依頼しない方が安全です。
見積もり価格が相場よりも高額が場合が多く、簡単な部分補修で修理ができる屋根であっても、虚偽の調査報告を行い高額な葺き替え工事を提案される危険があるからです。
実際に訪問販売業者に瓦の葺き替え工事を提案された事例ですが、弊社が現地調査を行った結果、瓦が多少ずれているだけで、一切葺き替え工事の必要が無かった事例がありました。
このように訪問販売業者に屋根の葺き替え工事を提案されても、相場よりも高額だったり、そもそも葺き替える必要な無いケースもあるので注意が必要です。
訪問販売業者に屋根の葺き替えを提案された場合は、信頼性のある他の業者に再度、現地調査を依頼するようにしましょう。
4.屋根瓦の葺き替えの見積もり時の注意点
屋根瓦の葺き替え工事は高額な工事でありながら相場価格が一般に浸透していないため、ぼったくり被害などの金銭トラブルが多いリフォーム工事です。
自宅の屋根の葺き替え工事の適正価格を判断するために、屋根の葺き替え工事の見積もり時に注意するべきポイントについて解説します。
4-1.見積書の内訳と単価相場を確認する
屋根瓦の見積書を確認する際は必ず「施工項目」と「単価相場」を確認することが重要です。
なぜなら、合計金額が記載されているだけの「一式見積もり」では適切に費用が見積もられているかを確認することができないからです。
例えば、屋根の葺き替え工事はガルバリウム鋼板の屋根材を交換するだけではなく、屋根の土台となる野地板(コンパネ)やルーフィング(防水シート)も交換します。
見積もり価格が相場価格の範囲であっても、屋根の土台となる野地板(コンパネ)を粗悪なものを使用したり、ルーフィング(防水シート)のグレードを下げる悪質業者も存在します。
このように表面的な見積もり価格では適切な製品が使用されているのか判断がつかないために、見積書を確認する際は、「施工項目(製品名や工程名)」が記載されていることを確認するようにしましょう。
4-2.大幅な値引きや即決を促されても鵜呑みにしない
「今、契約してくれたら80万円値引きします」「このままだと雨漏りがするからスグに葺き替えが必要です」と大幅な値引きや即決を促されても絶対に鵜呑みにしないようにしましょう。
「そんなに安くなるの?」とお得感を感じてしまいますが、もともとの見積もり価格が高額である場合が多く、営業が契約を結ぶための営業トークの可能性が高いからです。
「このままだと家がダメになる」や「雨漏り発生する危険があります」という契約や工事を急がす業者も強引に契約を結ぼうとする意図があるので注意が必要です。
このように大幅な値引きや即決を促されても絶対に鵜呑みにせずに、信頼できる他の業者に再度現地調査を依頼する方が安全です。
まとめ
いかがでしたか?屋根瓦の葺き替え工事の費用相場についてご理解頂けたかと思います。
本文中でもお伝えしましたが、屋根瓦の葺き替え工事はガルバリウム鋼板が主流で、日本の兵器金的建坪が30坪前後の住宅の中心価格帯は、80万円〜140万円が相場価格になります。
屋根瓦の葺き替え工事を適正価格で行うために、自宅の建坪に応じた適正価格を理解しておくことが重要です。
また、屋根瓦の葺き替え工事に際は、相場価格で工事を行える優良業者に修理を依頼することが成功の秘訣です。
屋根瓦の葺き替え工事はリフォーム工事の中でも高額です。しっかりと相場価格を理解して優良業者に工事を依頼することが重要です。
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