ルーフィングとは|屋根・外壁リフォームで4つの種類と選び方を解説

ルーフィング

ルーフィングは屋根や外壁の防水材として建物を水から守る重要な素材です。屋根の一次防水の屋根材から雨水が侵入しても、二次防水のルーフィングが機能していれば、雨漏りに発展することはありません。

このようにルーフィングは屋根や外壁にとって重要な素材で、ルーフィングによって屋根の防水性能や耐久性も大幅に異なります。

そのため、ルーフィングの種類や特徴をしっかりと理解をして、屋根材や外壁材に応じた適切なルーフィング材が使用されていることを理解しておくことが重要です。

そこで、この記事では外壁リフォームや屋根リフォームを始める前に知っておくべきルーフィング材についての基礎知識について解説します。

住宅におけるルーフィングが使用されている箇所や、具体的な役割、ルーフィング材の種類を中心に初心者の方にも分りやすいように画像を使って丁寧にまとめました。

また、屋根リフォームや外壁リフォームで適切なルーフィングが使用されているのかを確認できるルーフィング材を選ぶ際の注意点についても具体的に解説します。

1.ルーフィングとは

ルーフィングとは屋根や外壁の防水シートです。屋根や外壁の二次防水として重要な役割を果たしています。

一般的に雨漏りは瓦やトタンといった屋根材が劣化したり壊れたりすることで、雨漏りが発生すると思っていらっしゃる施主様の多いです。

しかし、瓦やトタンなどの屋根材はあくまでも屋根の一次防水であり、二次防水のルーフィングがしっかりと機能していれば建物の内部に雨水が侵入することはありません。

極端な話、屋根材をすべて撤去してものルーフィングが機能していれ雨漏りに発展することはありません。

一方で、ルーフィングが劣化して「縮れ」や「破れ」が発生していた場合、一次防水の屋根材に劣化が見られなくても雨漏りが発生します。これは外壁も同様です。

このようにルーフィングは屋根や外壁の二次防水として建物の防水性能を左右する重要な素材のため、屋根材や外壁材の耐用年数やお住いの地域の気候条件を考慮して選ぶことが重要です。

1-1.屋根のルーフィングの施工箇所

ルーフィング

屋根のルーフィングは野地板と呼ばれる木材板(コンパネ)の上に施工されます。屋根の雨水は上から下に向かって流れます。

そのため、ルーフィングの重なりが水の流れと逆目にならないように、屋根の軒先(下)から棟(上)に向かって順番に重ねられ施工されます。

一方で、ルーフィングの重なりが水の流れと逆目になってしまと、建物の内部に雨水を招き入れてしまうため、雨漏りの原因になります。

「新築後3年くらいで雨漏りがした」「屋根リフォームをしたら急に雨漏りがするようになった」という不具合の多くはルーフィングの施工不良によるものです。

1-1.外壁のルーフィングの施工箇所

外壁のルーフィング

外壁のルーフィングは屋根のルーフィングと同様に、高所から低所に向かってルーフィングを重ねていきます。

ルーフィング材は透湿ルーフィングと呼ばれる通気性能あるルーフィング材が使用されます。ルーフィング施工後、結露対策として通気性を確保するため、胴縁と呼ばれる木材板を施工します。

2ルーフィングの種類

ルーフィング材には「透湿系」と「非透湿系」の2つの種類があります。

「透湿」というのは空気を通す一方で、水は通さないという高機能なルーフィング材です。

透湿系のルーフィングは結露が発生する外壁のルーフィング材で使用されます。

このようにルーフィング材には「透湿系」と「非透湿系」の2つの種類があり、機能性や耐用年数(耐久性)も変動するため、屋根リフォームや外壁リフォームの際は、ルーフィングの種類をしっかりと理解して臨むことが重要です。

それでは、具体的にルーフィングの種類について見て行きましょう。

2-1.透湿ルーフィング

透湿ルーフィング

透湿ルーフィングは通気性のあるルーフィング材です。室内の湿気を屋外に放出する役割が
あります。そのため、建物の保存性が高いのが特徴です。

結露や雨漏りなど建物の躯体(内部)に侵入した水を乾燥させることができるため、屋根のカビの発生を抑制することができます。

また、他のルーフィング材と比べて耐用年数が長いために、日本瓦の住宅で使用をすると、メンテナンス費用を大幅に節約することができます。

一方で、施工費が若干割高になるのがデメリットです。

2-2.アスファルトルーフィング940

アスファルトルーフィング940

ルーフィング材の中でもっともスタンダードなルーフィング材になります。ルーフィング材の基準にもなっており、設計施工基準や仕様書において、アスファルトルーフィング940以上と記載されています。

スレート屋根やトタン屋根などの耐用年数が20年〜30年の屋根では標準仕様としてアスファルトルーフィング940で施工されるのが一般的です。

アスファルトルーフィングの最大のメリットは施工費用が安いことです。

一方で、水を通さない止水性に優れていますが、透湿性能が低く、屋根の内部の湿気を排出することができないのがデメリットになります。

また、破れやすく、経年劣化が進行すると、湿気がこもりボロボロにになってしまうことも少なくありません。

2-3.改質アスファルトルーフィング

改質アスファルトルーフィング

改質アスファルトルーフィングはアスファルトルーフィング940よりも耐久性や機能性を高めた高品質板になります。

アスファルトルーフィング940よりも耐久性向上しており、破れにくい構造になっています。近年、爆発的に普及しているガルバリウム鋼板の屋根の施工では、主流となっているルーフィング材です。

アスファルトルーフィング940と比べて、高性能になった分、費用が割高になります。

2-4.自着式の改質アスファルトルーフィング

自着式改質アスファルトルーフィング

改質アスファルトルーフィンの裏側に粘着層が全面についているルーフィング材です。

従来のアスファルトルーフィングはホチキス(ダッカー)や専用の釘を野地板に打ち付けて固定します。

そうすると、釘やホチキスがルーフィング材を貫通させてしまうため、雨漏りの危険が高まります。
一方で、自着式の改質アスファルトルーフィングは釘を使用しないため、通常のアスファルトルーフィングよりも、雨漏りが発生するリスクが少なくなります。

ただし、カバー工法で使用をするとスレート瓦に含まれるアスベストを取り込んでしまい、解体時に分別することができずに、解体費用が高額になります。

アスベストや費用対効果の観点から自着式に改質アスファルトルーフィングの使用はオススメできません。

2-5.ルーフィング材の種類の一覧表

ルーフィングの種類 透湿ルーフィング アスファルトルーフィング940 改質アスファルトルーフィング 自着式改質アスファルトルーフィング
分類 透湿系 非透湿系 非透湿系 非透湿系
材料費 500〜円/㎡ ¥200〜円/㎡ ¥400〜円/㎡ ¥900〜円/㎡
耐久性 50年以上 15年 30年 30年

ルーフィング材には様々な種類がありますが、一つの目安として外壁では結露を防止するため、「透湿ルーフィング」を使用するのが一般的です。

一方で、屋根リフォームではアスファルトルーフィング940か、改質アスファルトルーフィングを使用するのが一般的です。

屋根リフォームでは屋根材の耐久性や、施主様の予算に応じてルーフィング材を使い分けています。特に、ガルバリウム鋼板は耐久性(耐用年数)が40年〜50年と非常に長期的なため、改質アスファルトルーフィングなどの高耐久なルーフィング材を使用します。

一方で、リフォーム費用を節約したい場合、アスファルトルーフィング940を使用します。

このように外壁では、透湿ルーフィングを使用し、屋根ではアスファルトルーフィング940、改質アスファルトルーフィングが使用されることを理解しておきましょう。

2-6.屋根修理で使用されるルーフィングの種類

商品名 Pカラー PカラーEX+ マスタールーフィング タイベック ルーフライナー
メーカー 田島ルーフィング 田島ルーフィング 田島ルーフィング デュポン
耐久性 15年〜20年 20年〜30年 50年〜60年 50年〜60年
種類 アスファルトルーフィング940 改質アスファルトルーフィング 改質アスファルトルーフィング/劣化防止層 透湿ルーフィング

近年施工件数が多い、ガルバリウム鋼板屋根で使用されることが多いのは、アスファルトルーフィング940の「Pカラー」と改質アスファルトルーフィングの「Pカラー EX+」が普及しています。

3.ルーフィング材を選ぶ際の注意点

ルーフィング材は屋根や外壁の二次防水として重要な役割がありますが、ルーフィング材の種類や機能を理解しないまま屋根リフォームに取り組まれている方も多いです。

業者によっては安いルーフィング材を使用する場合もあるため、しっかりとルーフィング材の機能を理解しておくことが失敗を回避する秘訣です。

それでは、具体的にルーフィング材を選ぶ際の注意点について見て行きましょう。

3-1.機能性に優れたルーフィング材を使用する

ルーフィング材は平米あたり、 数百円でグレートアップすることができます。平均的な屋根の100平米前後の住宅に換算すると、3万円〜4万円の出費で高品質な製品を使用することができます。

高品質なルーフィング材を使用することで、耐久性(耐用年数)や防水性能が大幅に異なるため、工事費用だけを追求せず、できるだけ良いルーフィングシーを使用するようにしましょう。

3-2.ルーフィングの種類と製品は必ず確認する

屋根の葺き替え工事や外壁の張り替え工事でルーフィングを施工する工事の場合、必ず見積もり段階で、ルーフィングの種類や製品名を確認することが重要です。

ルーフィングは業者から説明がされない場合が多く、施主様もあまり気にされない項目になります。
そのため、屋根の葺き替え工事や外壁の張り替え工事の際は、ルーフィングの種類と製品名を確認することが重要です。

まとめ

いかがでしたか?ルーフィングについてご理解頂けたかと思います。

ルーフィングは建物の防水性能を左右する重要な素材です。そのため、ルーフィングの種類と特徴をしっかりと理解することが重要です。

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