「屋根の葺き替え工事で見積もりの依頼の仕方がわからない」「業者から見積もりをもらったけど、相場が分からずに見積もり価格の妥当性が判断できない」そう疑問に感じて屋根の葺き替え工事の見積もりについて調べていませんか?
屋根の葺き替え工事は一般的に相場が浸透していないため、見積もりを提出されても価格や施工内容を理解できない施主様も多く、不安を抱えながら工事を迎える方も少なくありません。
また、屋根の葺き替え工事は同じ工事であっても、ハウスメーカーやリフォーム会社、屋根専門業者といった施工業者の種類によって大幅に費用が変動します。
そのため、屋根の葺き替え工事は、施工業者を決定する前に見積もり価格の妥当性の確認方法や、適正価格を実現できる業者の選び方について理解を深めておくことが重要です。
そこで、この記事では、リフォームのプロが屋根の葺き替え工事で失敗しない、見積もりの取り方と優良業者の選び方について具体的に解説します。
屋根の葺き替え工事の費用相場と、葺き替える屋根材に応じた適正業者の選び方、屋根葺き替え工事の概算費用の算出方法など、屋根の葺き替え工事の見積もりで事前に知っておくべき、基本事項について解説します。
この記事を最後までお読み頂き、記事の内容を踏まえて屋根の葺き替え工事を進めて行くことで、適正価格で高品質な屋根の葺き替え工事を実現できるようになるので是非、参考にして頂ければと思います。
1.屋根の葺き替え工事の見積もりの取り方
屋根の葺き替え工事で失敗しない最大のポイントは業者選びです。施工業者によって屋根の葺き替え工事に価格と品質が決まるからです。
まずは、屋根の葺き替え工事の適正業者に見積もりを依頼する方法について見て行きましょう。
1-1.屋根の葺き替え工事の相場を知る
屋根の葺き替え工事の費用相場は、屋根材の種類によって異なります。使用する屋根材や施工方法が異なるためです。
屋根材の種類と建物の大きさから自宅の屋根の葺き替え工事の相場を理解しましょう。
1-1-1.瓦屋根の葺き替え工事の費用相場
建坪(屋根面積) | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
日本瓦(セメンと瓦)→日本瓦 | 100万円~180万円 | 130万円~230万円 | 160万円~290万円 |
日本瓦(セメンと瓦)→スレート瓦 | 100万円~160万円 | 130万円~210万円 | 160万円~260万円 |
日本瓦(セメンと瓦)→ガルバリウム鋼板 | 80万円~140万円 | 100万円~180万円 | 130万円~230万円 |
日本瓦→日本瓦(葺き直し) | 60万円~100万円 | 80万円~120万円 | 100万円~140万円 |
※切妻屋根の総二階の住宅を基準に算出しています。 ※形状や劣化症状によって相場価格は変動します。 |
瓦屋根の葺き替え工事は建坪が30坪前後の住宅で、ガルバリウム鋼板に葺き替えた場合、100万円〜140万円が中心価格帯です。
瓦屋根からガルバリウム鋼板に葺き替えることで、屋根が大幅に軽くなるために建物全体の耐震性能が向上します。そのため、瓦屋根の葺き替え工事では耐震リフォームの一環でガルバリウム鋼板が使用されるのが主流です。
また、日本瓦は耐用年数が80年〜100年と非常に長期的なため、「葺き直し」と呼ばれる既存の日本瓦を再利用する工法もあります。雨漏り修理などで単純に屋根の修理だけ検討している場合は、葺き直し工法で修理をすることで修理費用を節約できます。
瓦屋根の葺き替え工事はガルバリウム鋼板が使用されるのが一般的で、建坪が30坪前後の住宅の場合、100万円〜140万円ほどが中心価格帯ということを理解しておきましょう。
1-1-2.スレート屋根の葺き替え工事の費用相場
建坪(屋根面積) | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
スレート瓦→スレート瓦 | 80万円〜120万円 | 100万円〜150万円 | 130万円〜190万円 |
スレート瓦→ガルバリウム鋼板 | 90万円〜150万円 | 110万円〜190万円 | 140万円〜240万円 |
スレート瓦→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | 70万円〜100万円 | 100万円〜130万円 | 120万円〜160万円 |
※切妻屋根の総二階の住宅を基準に算出しています。 ※形状や劣化症状によって相場価格は変動します。 |
スレート屋根はカバー工法による葺き替え工事が一般的です。建坪が30坪前後の住宅の場合、70万円〜100万円が中心価格帯になります。
スレート瓦はカバー工法と呼ばれる既存の屋根の上に新しい屋根を被せる工法により、屋根を新しく葺き替えるのが一般的ですが、カバー工法が施工できない場合、屋根の葺き替えが必要です。その際は、建坪が30坪の前後の住宅で90万円〜150万円が中心価格帯になります。
1-1-3.トタン屋根の葺き替え工事の費用相場
建坪(屋根面積) | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
トタン→ガルバリウム鋼板 | 80万円〜140万円 | 100万円〜180万円 | 120万円〜230万円 |
トタン→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | 70万円〜100万円 | 100万円〜130万円 | 120万円〜160万円 |
※切妻屋根の総二階の住宅を基準に算出しています。 ※形状や劣化症状によって相場価格は変動します。 |
トタン屋根はスレート瓦と同様に、ガルバリウム鋼板を使用したカバー工法による葺き替え工事が一般的です。その際の中心価格帯は、30坪前後の建物の場合、70万円〜100万円が中心価格帯になります。
トタン屋根もカバー工法が施工できない場合、既存の屋根を撤去して新しい屋根材に葺き替える従来の葺き替え工法が必要になります。
このようにトタン屋根の葺き替え工事は70万円〜100万円が中心価格帯ということを理解しておきましょう。
1-2.屋根の葺き替え工事の適正業者を知る
屋根の葺き替え工事は、施工業者の種類によって相場価格が異なります。下請けに支払う中間マージンや営業活動の広告費や人件費が業者によって異なるからです。
特に、葺き替え工事は100万円を超える高額なリフォーム工事になるために、業者の種類によって、数十万円の価格差が生じてしまうことも少なくありまえん。
そこで、ここからは屋根の葺き替え工事の状況に応じた適切な業者の選び方について解説します。
1-2-1. 瓦業者
建物の美観性を維持するために、日本瓦を新しく張り替えたり、セメント瓦から陶器瓦(日本瓦)に葺き替えるなど、「瓦」を使用した葺き替え工事は「瓦業者」がベストです。
自社で直接施工ができることから、中間マージンが発生せずに適正価格で工事を実現できるからです。
特に、日本瓦の屋根で「葺き直し」を検討している場合は、瓦業者が最適です。また、瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替え際も、適切な屋根診断を実現するために、瓦屋根の専門業者である瓦業者が最適です。
このように日本瓦やセメント瓦の葺きかえの際は、自社で直接施工ができる瓦業者に葺き替え工事を依頼するのが最適です。
1-2-2. 建築板金業者
スレート屋根やトタン屋根のカバー工法などでガルバリウム鋼板を使用する場合は、建築板金業者が最適です。金属屋根の加工や設置は建築板金業者が専門です。
そのため、下請けに工事を依頼する際の中間マージンが発生せずに、適正価格で葺き替え工事を行えます。
カバー工法でガルバリウム鋼板を使用する場合は、建築板金業者が適正業者になります。
1-2-3. 工務店・建築士事務所
雨漏り修理などで現地調査を行わないと修理箇所が特定できない場合は、工務店や建築士事務所などの総合的に外装リフォームを行える業者が最適です。
特に、雨漏りは屋根が原因によるものであっても状況によって、外壁の張り替えやベランダの防水工事など修理箇所が多岐に渡ります。
このように施工箇所が複合した場合、瓦業者や板金業者では対応するできずに、下請け業者に修理を依頼することになるので、専門外の工事では中間マージンが発生します。
また、雨漏り修理はしっかりと原因を究明しないと、再発する可能性が高いのが特徴です。建物の設計や構造に精通している建築士事務所や工務店に修理を依頼することで雨漏りが再発する危険を大幅に低減できます。
1-3.屋根葺き替えの業者の探し方
屋根の葺き替え工事の業者は、チラシやインターネット、訪問販売まで様々な探し方や接点がありますが、正しい知識を持って自分で業者を探す方法が最もミスマッチの危険が少ないです。
チラシやテレビCM、訪問営業などの営業活動に積極的なリフォーム会社であるほど、リフォーム費用が高額になる傾向にあるからです。
特に、ハウスメーカーや大手リフォーム会社は高額なことで有名ですが、これは宣伝広告や営業マンの人件費などが見積もり費用に反映されるからです。
このように屋根の葺き替え工事は広告媒体を鵜呑みにせずに、業者選びに対して正しい知識を持って自分で探す方法が最もミスマッチの危険が少ないです。
それでは、具体的に屋根の葺き替え工事の探し方について見て行きましょう。
1-3-1.インターネットで探す
インターネットで地元の業者を1社1社確認するようにしましょう。
「屋根 葺き替え 地域名(千葉など)」とインターネットで検索をすると、千葉で屋根葺き替え工事に力を入れいるリフォーム会社のホームページがヒットします。
そのヒットしたリフォーム会社のホームページを1社ずつメモを取りながら確認するようにしましょう。
1-3-2.タウンページで探す
インターネット検索で思うように検索できない場合はタウンページもおすすめです。
インターネットではホームページを所有している業者しか検索できませんが、タウンページは電話番号から企業情報を公開しているので、インターネットでは見つからない地域密着の優良業者が見つかる可能性が高いです。
1-4.屋根葺き替えの業者の選び方
屋根の葺き替え工事の現地調査を依頼する前に、業者のホームページで必ず下記の項目を確認するようにしましょう。
- 施工実績
- 企業情報
インターネット上に記載されている情報だけでは情報の信ぴょう性の判断ができません。
現在では、悪徳業者であってもホームページを所有しており、「自社施工の専門業者」と謳っていることもあるために注意が必要です。
そのため、不正をすることができない「施工実績」と「企業情報」を確認するようにしましょう。
1-4-1.施工事例を確認する
施工業者のホームページで施工実績を確認することが重要です。
施工件数が豊富なのはもちろん、施工内容が詳細に書かれている事例は実際に工事している様子が反映されているため信頼ができます。
1-4-2.企業情報が記載されている
企業情報がしっかりと記載されていることを確認することが重要です。悪徳業者は「会社名」「住所」「電話番号」などの基本的な企業情報も公開されていない場合があります。
屋根の葺き替え業者を選ぶ際は、会社の企業情報がしっかりと記載されていることを確認するようにしましょう。
2.屋根の葺き替え工事の見積もりの確認方法
屋根の葺き替え工事の見積もり内容を確認して価格の妥当性を確認することが重要です。
屋根の葺き替え工事は住宅のリフォームの中でも高額な工事である一方で、相場は不透明でぼったくり被害や施工不良が多いからです。
実際に、弊社にご相談頂いた内容で、ハウスメーカーで300万円だった見積もり内容でしたが、150万円になった事例もあり、費用対効果の高い屋根リフォームを実現するために、見積もり価格の妥当性を確認することが重要です。
それでは、具体的に屋根の葺き替え工事の見積もりの確認方法について見て行きましょう。
2-1.見積もり価格の内訳が反映されている
屋根の葺き替え工事の見積書は一式見積もりではなく、見積もり価格の内訳がしっかりと記載されている「明瞭見積もり」であることが大前提です。これは見積もり価格の妥当性と施工品質を確認するためです。
見積もり価格が相場価格の範囲内であっても、使用する屋根材を低品質な製品使用したり、屋根内部のルーフィングシート(防水シート)や野地板が基準を満たす製品が使用されていない場合、確認できません。
このように屋根の葺き替え工事の見積もり、適正価格の範囲内であっても内訳をしっかりと記載してもらい、使用する部材や製品についても記載してもらうことが重要です。
2-2.屋根の葺き替え工事の概算費用の計算方法
屋根の葺き替え工事の適正価格を判断するためには、自宅の屋根面積(施工面積)を算出して、施工単価(作業費用や材料費)を掛け算して算出します。
見積もり価格の妥当性を適切に判断するために、屋根の葺き替え工事の概算費用の算出方法について見ていきましょう。
【ステップ1】屋根の葺き替え工事の施工面積を算出しよう
まず始めに、屋根の施工面積を算出しましょう。屋根面積は下記の式で計算できます。
屋根の形状や勾配によって変動しますが、参考までに屋根面積の早見表を記載しますね。
建坪(平米数) | 屋根面積(㎡) | 足場面積(㎡) |
---|---|---|
30坪(99.3m2) | 120~129 | 175~189 |
35坪(115.9m2) | 130~139 | 190~204 |
40坪(132.4m2) | 140~149 | 205~219 |
45坪(149.0m2) | 150~164 | 220~234 |
50坪(165.5m2) | 165~180 | 235~249 |
【ステップ2】屋根葺き替え工事の施工単価を算出しよう
屋根葺き替え工事の価格は「屋根材の撤去」や「ルーフィングシートの施工」「屋根材の施工」などの工程(内訳)を合計して全体の費用が計算されます。
屋根の葺き替え工事の内訳で一般的に見積もられる項目について、「施工工程」と「屋根材」別に具体的に解説します。
施工工程の単価相場
施工工程の内訳 | 単位 | 単価相場 |
---|---|---|
既存屋根材の撤去 | ㎡ | ¥1,500~¥2,500 |
下地の補修 | ㎡ | ¥1,500~¥2,500 |
ルーフィングシート(防水シート) | ㎡ | ¥500~¥800 |
屋根材本体(新規屋根材) | ㎡ | ¥5,000~¥7,000 |
その他の工事(雨樋工事など) | 式 | 内容によって変化 |
足場 | ㎡ | ¥500~¥1,500 |
管理費・諸経費・廃棄費用 | 式 | 工事費用の8〜10% |
屋根の葺き替え工事の工程の中で大きな要素として足場の設置があります。見積書を確認する際は、しっかりと単価相場を確認することが重要です。
屋根材の単価相場を算出しよう
屋根材の種類 | 単価 | 単価相場 |
---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | ㎡ | ¥6,000~¥9,000 |
スレート瓦 | ㎡ | ¥4,500~¥8,000 |
日本瓦 | ㎡ | ¥8,000~¥10,000 |
屋根の葺き替え工事はガルバリウム鋼板が使用されるのが一般的ですが、屋根材によって施工単価が異なります。
また、屋根材の費用は屋根の葺き替え工事の全体価格の中で大きなうウェイトになる要素のなので必ず製品名と施工単価を確認するようしましょう。
3.屋根の葺き替え工事の見積もりの注意点
屋根の葺き替え工事で失敗しないために注意するべきことは施工品質の低い業者に工事を依頼しないことです。
ぼったくり被害や施工不良などのトラブルは施工品質の悪い業者に工事を依頼してしまうことが原因になります。
そのため、ここからは屋根の葺き替え工事で悪徳業者を掴まないために知っておくべき、屋根の葺き替え工事の注意点について解説します。
3-1.相場よりもかけ離れた業者には依頼しない
屋根の葺き替え工事は屋根の大きさに合わせた相場価格が存在します。そのため、相場価格よりもかけ離れた見積もり価格の業者は注意が必要です。
相場価格よりも高額な場合は、施主様の工事代金が施工品質に還元されていない場合があり、、単純に100万円の工事を150万円で行っているのと同じ品質の場合が多いです。
また、相場よりも安い場合も、材料費が安い粗悪な製品を使用するなど、手抜き工事が低価格を支えていることがあるので注意が必要です。
このように相場よりも大幅に高額だったり、安すぎた場合は他の業者に見積もりを依頼した方が安全です。
3-2.即決を促す業者には修理を依頼しない
「今、契約してくれたら80万円値引きします」「このままだと雨漏りがするからスグに葺き替えが必要です」と大幅な値引きや即決を促されても絶対に鵜呑みにしないようにしましょう。
「そんなに安くなるの?」とお得感を感じてしまいますが、もともとの見積もり価格が高額である場合が多く、営業が契約を結ぶための営業トークの可能性が高いからです。
「このままだと家がダメになる」や「雨漏り発生する危険があります」という契約や工事を急がす業者も強引に契約を結ぼうとする意図があるので注意が必要です。
このように大幅な値引きや即決を促されても絶対に鵜呑みにせずに、信頼できる他の業者に再度現地調査を依頼する方が安全です。
まとめ
いかがでしたか?屋根の葺き替え工事の見積もりの基礎知識について理解できたかと思います。
屋根の葺き替え工事はしっかりと自宅の相場価格を理解して適正業者に依頼することが重要です。
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